『シェンムー(北米版)』クリア後の感想

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北米Storeで2018年8月21日にリリースされた『Shenmue I & II』。『Shenmue I』をクリアした感想。

レトロゲーム

ゲームの歴史が長くなり、レトロゲームの範囲も広がったと感じました。この『シェンムー』もレトロゲームを楽しむ感覚。現代基準で考えると、操作性の悪さ、グラフィックの悪さ、モーションのぎこちなさ、システムの不便さ、パッとしないバトル、後半の水増しのような展開、自由度の低さなどを感じます。そういう古さや不便さなど、当時の味を楽しむもの。後世のゲームに大きな影響を与えたであろう伝説的ゲームを今、改めて体験するという面白さ。

 

ドリームキャスト版『シェンムー』は1999年12月29日に発売されていました。PS2が発売されたのが2000年3月4日ですから、約3ヶ月前。この時代にこれが作られていたなんて、今になってその凄さがわかる。

 

街全体の生活感がとても良くて、まして舞台が日本なので沁み入ります。メインストーリーよりも日常のシーンの方が印象的でした。午前アルバイト終えて、テキトーな場所で昼飯を食べてからブラブラ歩き、午後のアルバイトを終えてバスを待っていると同僚も来て並んだり、ゲーム内で日常を送っている感じが良かった。

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芭月涼、稲さん、福さん、原崎、マーク、貴章、ゴローなどなど、しっかり命を吹き込まれたキャラクターたちとの日常やメインストーリーのドラマは魅力的で、普通のゲームだったらモブキャラにあたるような役どころのキャラにも個性があり、1人1人が街で生活している。こういう世界を1999年に作っていたとは驚きです。街歩きや人との出会いと触れ合いが楽しい。

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『龍が如く』でも街歩きの楽しさは何度も味わっていますが、『シェンムー』における横須賀の街と人には他で味わえない魅力があります。『シェンムーII』の香港も良いですけどね。

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ストーリーは一章でしかない

当時、シェンムーは十六章構成だと言われていました。しかし、『シェンムー街』発表後に鈴木裕氏が「今まで『十六章作った』って言った記憶はないんです。なんで十六になっちゃったんでしょうね。十一しか作ってないですよ、多分(笑)」と訂正されていました。

 

『シェンムー』は一章で『シェンムーII』は当初の六章までを再構成したらしい。なんにせよ『シェンムー』は全十一章中の一章でしかない。起承転結で言えば「起」だけの部分。あまり盛り上がることもなく「俺たちの戦いはこれからだ」状態で終わる。ストーリーが良い悪い以前に一章でしかない。キャラクターたちは魅力的であり、気になる謎もあり、これからどんなストーリーが描かれるのか気になるので「起」としては悪くない。でも18年経っても完結していないなら不満になってしまうストーリー。ゆえに『シェンムーIII』が発表されたことは非常に大きい。今のタイミングで『シェンムー』と『シェンムーII』をプレイできるのは嬉しい。今は『シェンムーII』をプレイしていますが、とりあえず打ち切り状態ではないので、安心してストーリーを楽しめている。

 

特に『シェンムーII』の存在は大きそう。『シェンムー』は35~40万本売れたようですが、『シェンムーII』は10~15万本。プレイしていない人が多いんですね。でも今プレイしてみると『シェンムーII』の方が進化しているし、マップも広くてゴージャス。こっちをやらないのはもったいないと思える。

バグ

オリジナルを未プレイなので比較はできませんが、気になったバグが2つ。1つはイベント中の会話でバグッた背景のみが延々と表示され続ける現象。クリアまで2回のみでしたが、1回だけでも酷いバグ。

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もう1つは音が不自然に鳴らなかったりする現象。QTEの成功音が鳴らないとモヤッとします。

 

日本版は11月22日なので、それまでに修正されると良いです。

リマスターらしいリマスター

オリジナルからの変更点は、画質の向上、プレイアブルシーンで16:9、方向キーでも左スティックでも移動可能、UIの変更、トロフィー対応、どこでもセーブに対応、ディスク交換不要、ロード時間短縮など。
よくあるリマスターらしいリマスターであり、画質向上+ちょこっと調整。どこでもセーブに対応は大きな追加かもしれない。

 

下手に手を加えていないのは良いと思いました。レトロゲームとしての楽しみ方が上回りましたので、中途半端に現代的な便利さを入れてしまうと、レトロゲームとしても現代基準のゲームとしても楽しめない中途半端なものになったと思う。古臭さや不便さも含めて、オリジナルに近いことに魅力を感じる。そこのバランス感覚は間違っていないと思った。手を加えるならリマスターじゃなくてリメイクしないとダメだなというゲーム。

 

やらなくて良かったのはグラフィック面での細かい手入れ。リマスター版のゲーム感想で毎度のように書くのが「キレイなところとそうでないところの差が激しい」ということ。メインキャラクターはテクスチャどころかモデリングまで含めてリマスター版で手入れしているように感じるゲームもあり、しっかり手を加えているところと、そうでないところの差が激しくなる。『シェンムー』は主人公も粗いテクスチャのまま。そのため全体のバランスが崩れていません。プレイアブルキャラクターが最新ゲームのように高精細になるのも良いですが、特にこのゲームにおいては全体のバランスの方が大事だと思う。

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プラチナトロフィーも獲得しやすいです。これは今まで『シェンムー』に触れていなかったけど『III』も含めて気になっていた人にはプレイしやすくて良いと思う。現代のゲームと比べると洗練されていないので、そこまでこだわって何周もプレイしたいという気持ちもなく、とりあえず『I』と『II』をクリアしたいのが最優先。シェンムー未経験状態から、『I』も『II』もクリアを目指す中でプラチナトロフィーを獲得して、『III』を迎えられるのは気持ち良い。トロフィーが簡単なのでトロフィーを意識しても自由に動ける時間が多いです。これもゲームの魅力を壊さないようになっていると思った。

 

北米版はテキストは英語、ボイスは日本語も選択可能。フルボイスなのでストーリーは問題なくわかります。アイテムも絵があるのでわかりやすい。テキストで不便があるのはメモを見る時くらいですが、メモは会話で得た情報をまとめているものなので、会話を聞いていれば困らない。

 

伝説的なゲームである『シェンムー』に触れられてとても嬉しい。象徴的なガチャガチャ、フォークリフトなども実際に体験できて感慨深い。今プレイしている『シェンムーII』も楽しく最後までプレイできそうです。


でもあくまで『シェンムー』を現代基準で楽しめるようにしたものではなく、リマスター版であります。1999年のゲームとなると、もうレトロゲームの感覚。レトロな味を楽しみ、ここから広がっていった未来に想いを馳せ、そして最新作『シェンムーIII』へと繋げられるのが魅力。