捉え方の難しい超大作『レッド・デッド・リデンプション2』クリア後の感想

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2018年10月26日にリリースされた『レッド・デッド・リデンプション2』クリア後の感想。

人間ドラマが素晴らしかった

進行度65%くらいまでは「普通」という感じのストーリーで、前作に思い入れがあればファンディスク的に楽しめるという具合でした。逃亡生活のギャングがギャングらしい仕事をこなすというだけなので、起伏の少ないストーリー。ストーリーよりも西部劇の雰囲気の中でロールプレイを楽しむゲームかなという印象でした。キャラクターの存在感はあり、ギャングの日常系ゲームとしての面白味はあるし、よくわからない事情とキャラクターの中で興味深さをもって見られた。

 

これが終盤に入ると急激に熱くなってきて、めちゃくちゃ燃えた。これは前作『レッド・デッド・リデンプション』をクリアしているからこそであり、未プレイだと響かないとも思う。前作ありきで燃えるような演出がいくつかある。未来に対して皮肉のようになってしまうセリフや、この行動があの行動に影響を与えたのかという場面に心が震える。この熱さは、超大作2作品を使って生まれるものなので格別であり、RDRの主人公であるジョン・マーストンの成長が深く描かれる。こういう人物と出会って、こうなっていくという変化がとても面白く、伝記のよう。
時系列的には2→1ですが、この順番でプレイしても響きにくい気がします。未来を知っているからこそ響く。そして2の人間ドラマの濃さは1に反映されていないので、物足りなさも感じそう。

ダッチの存在が人間ドラマに説得力を生む

RDR2の公式サイトに書いてある説明で「抗争に関わるほど、ギャングはバラバラにされる危機に見舞われる。アーサーは、自らの理想と自分を育ててくれたギャングへの忠誠、そのどちらかの選択を迫られる」とあるように、ギャングが崩壊に向かって行くストーリーなのですが、この人間ドラマが素晴らしかった。特にボスであるダッチの存在が最高で、カリスマなのか?うさんくさい人なのか?狂い始めているのか、これが本性なのか?という部分の人間描写が優れていた。非常に難しい役どころですし、並の作家ならチープに描かれてしまうと思う。メンバーがボスとして慕うのもわかるし、疑い始めるのもわかる。このゲームはリアルだと言われる部分が多いですけど、このダッチの人間らしさは非常にリアルに感じたし、このダッチが中心にいたからこそ人間ドラマに説得力が生まれた。

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こういう人物は実際にいて、最初は凄い人だなとカリスマ視していたんだけど、いろいろあるうちに「あれ?」と疑い始める。でも疑いきれない。行動だけを冷静に見ると怪しく思えるはずなんだけど、心の奥底では信じたいという気持ちが判断を鈍らせる。
いい加減さとか、判断のつかない濁りのようなものがあって、でも離れたくない魅力があるのが良い。劇の登場人物は性格がわかりやすいことが多いけど、こういう読めない人物が好きで、読めないから探りたくなる。それも人物に惹かれる1つの形だと思う。アーサーの葛藤も共感できる。

別れ

ギャングには個性的なメンバーたちがいて、序盤は顔見せ程度に代わる代わるミッションに同行し、親交を深める。仲間意識も強くなっていったところで、何の予兆もなく突然の別れが訪れるメンバーもいる。こういうところも好きです。実際、ギャングの世界に身を置いていたら当たり前のことであろう部分。1発の銃弾で突然終わってしまうはかなさ、別れの言葉もなく消える人。フラグ立てのような前置きがあったり、大袈裟に死や別れを演出しないのが良い。アーサー以外のキャラクターたちも、裏では悩みが葛藤があったんだなと思えるし、それぞれ自分の人生を生きている感じがした。

超一流のグラフィックと演技

グラフィックの凄さには驚かされたし、それによる「その世界が存在する説得力」も実感した。
キャラクターの演技もにくいほど細かい。両膝の上に細長くて平たい箱を置いてフタを開けるシーンで、膝から箱が滑りそうになって「おっ」となったり、本物の人間が自然にやりそうな演技を見せてくれる。

雰囲気と日常感のリアリティが油となって燃えた

このゲームの細かい描写とかリアリティに関しては多く語られていて承知かと思います。西部劇シミュレーターとも言われるほど。実際にその部分は優れていて、個人的にも「凄い」と思いますが、上記した「西部劇の雰囲気の中でロールプレイを楽しむゲームかなという印象」という時点では、雰囲気の良さよりもアクションやゲームシステムに関する不満の方が少しだけ大きかった気がします。


VRの世界に魅力を感じてしまっているので、非VRゲームにおける雰囲気の良さに100%浸るのが難しくなったと感じる。スカイリムVRでゲームの世界に入って過ごし、キャラクターたちと実際に出会ったような感覚を知ると、1.5m離れたTV画面から伝わる雰囲気に対する感度は弱くなったのを実感する。RDR2は非VRゲームの中では圧倒的で満点だと理解するけど、でも「これをVRで体験したいなぁ」という渇きも感じてしまう。
そんな中でも、特に夜の森はグラフィックか素晴らしく。このゲームこそ「空気感が凄い」という言い方がハマる。草木が匂い立つように生き生きとしていて、温度と湿度まで感じるような表現力。光の表現も繊細で、薄暗く不安な森の中に差し込む月明かりは素晴らしい。夜の街に近づいて不安が光で飛ばされていくような感覚も良い。

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あえて雰囲気の良さに浸ったというよりは、普通にゲームをプレイする中で感じました。狩り、釣り、盗みをするギャングらしい生活も楽しめていた。進行度65%くらいまでは「日常編」といったところで、起伏は少ないながらも西部劇シミュレーターを堪能していた。しかし、この西部劇シミュレーターは、これ自体の出来の良さで完結するものではなく、終盤の激アツな人間ドラマを大きく燃やす油のような存在でもあった。この世界に存在して生活する時間とリアリティ、これが終盤のストーリーを自分の体験として心に沁み込ませる。ここが凄かった!終盤の激しく動くストーリーの中で、走馬燈のように日常編の出来事が浮かぶほど。「あの頃に戻りたい」「なんでこうなったんだろう」という感情も生まれるし、この命がRDRという未来に繋がっているという壮大さも感じる。

 

序盤~中盤の西部劇シミュレーターによる日常編
     x
終盤の超大作2本で組み上げられた激アツな人間ドラマ
     =
唯一無二のゲーム体験

 

となった。この手法だからこそできたものですし、多数の不満を滅してしまう燃え方をして、クリア後には最高の余韻を残した。
単純にストーリー展開のガワだけで言えば、何人かの行く末は既に知っているので、展開の予想もできた。凄いのはキャラクターの感情や生き様をプレイヤーの心の奥にブチ込む手法であり、そこに心が震えて熱かった。これを実現させるための驚異的な作り込みがあった。世界のウソっぽさを消して、人間感情のウソっぽさも消して、そこにプレイヤーを住まわせてから客観的ではなく主観的な体験をさせる。
ただ、1歩離れて見ちゃうと響かないという繊細さもある気がする。「何がどうしてどうなった」という部分は普通ですからね。しかも、ある程度の結果は予想できる。全体を通してストーリー展開を楽しむというより、セリフの渋さとか重みとか、キャラクターの感情の深みを重視した人間ドラマの魅力。

簡易的すぎたキャンプのシステム

人間ドラマの素晴らしさでクリア後は最高の余韻を残しましたが、不満点は多いゲームでもあります。

 

まず期待していたギャングのキャンプに関する部分。システムが簡易的過ぎてハマれなかった。簡易的なのにわかりにくさもある。狩りで入手した皮や肉を寄付したり、部屋の装飾をしたり、寄付できたりするのですが「それなり」のもの。Fallout 4のようなハマり込める拠点作りからは大きく劣りますし、それよりは簡易的なメタルギアサバイブのように、自分で施設の設置場所を考えるようなこともできない。決められたものを買うだけですし、種類も多くない。そもそもキャンプのアップグレードシステムはゲーム全体で見て重要度が高くないものとなっており、最終的には添え物程度のものという印象でした。

 

キャンプの運営資金はメンバー全員で寄付することになっていますが、普通にプレイしていたら7割以上がアーサーの寄付になるんじゃないでしょうか。このバランスの悪さも気になった。施設の購入権もアーサーですし、メンバー全員で協力している感がまったくなかった。操作系と同じで、練り込まれていないシステムな気がする。

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狩りや釣りが楽しいので、それを最大限に生かせるようなキャンプのシステムがあれば最高だったのになと思います。まだこの期待は捨てておらず、DLCなり素材を流用した別作品でも出ないかなぁと思う。本当に素材は極上なので、それを使ってどっぷり浸れるシミュレーションゲームがあれば最高だなという夢を見る。まだまだこの世界で生きたいという欲求が消えない。


キャンプの雰囲気は素晴らしく、そこで暮らすギャングの生き生きとした生活感を感じます。会話パターンも多いし、お祭り騒ぎみたいなこともあり、ギャングの1人としてその場に浸れるのは心躍る。ゲームシステムで成果を汲み上げてもらえない分、ロールプレイの舞台としては魅力的なものが用意されていて、人によっては「最高じゃねえか!」となる部分でもあるでしょう。そこの魅力は感じつつ、ゲームシステムとして、もっと成果を汲み上げてほしかったという気持ちも残る。

報酬を貰う作業ではないかもしれない

「ゲームシステムとして、もっと成果を汲み上げてほしかったという気持ちも残る」と書いた直後ですが、ゲーム的な成果のために狩りや釣りをやらせたくないという狙いも感じます。キャンプのアップグレードシステムによっては、そのために狩りや釣りをやるようになる。そういう遊ばせ方を嫌っているような気がする。金策もメインミッションを進めるのが効率が良いですし、お金も余る。金が不足するように仕向けてサブ要素に誘うという狙いは、さらさらないという作り。


いろいろオープンワールド系のゲームをプレイしていると、触りをプレイするだけでサブ要素での報酬バランスだったり消化ペースが感覚でつかめてきますが、このゲームはそれがない。ちょっと不思議な感覚。ですので、サブ要素=報酬目当てという意識でプレイすると「やること(やりたいこと)が少ない」と思ってしまいそうでもある。このゲームのサブ要素はそういうものじゃないという意識があった方が良いかもしれない。私も報酬を欲しがるタイプですが、サイドミッションの苦労に見合った報酬とか、狩りの苦労に見合った報酬とか、そういうもののバランスに不満を覚えるようだと楽しみにくくなる。
報酬がプレイのモチベーションに繋がることが悪いとはまったく思いませんが、報酬至上主義になりつつあるのも感じていたところ。それを今一度見つめ直すきっかけにはなる。これは自分自身がまさにそうで、このシステムならそこまでやる気がしないなと素で思っちゃう。でも、ゲームが好きなはずなのに自らゲームの遊び方を窮屈にしていると気付く。ここまで凄いゲームならば、そこを変えてみる気にもなる。

操作性の悪さ

操作性は現代基準で見て悪いです。この操作性、海外なら受け入れられているというわけでもなく、満点評価をしているメディアすらも悪い部分として指摘しています。全体的に見て、悪い部分として最も多く指摘されているのが操作と動作のようです。
Choke Point | 『Red Dead Redemption II』海外レビュー

 

基本的な部分で、ボタン設定が洗練されていないと感じた。オプションでいくつかのパターンがありますが、満足いくものはありませんでした。
マップはOPTIONSボタン長押しで開きますが、タッチパッドで開きたかった。タッチパッドの視点切替も設定で2種類のみに絞れるようにしてほしい。TPSの好きな距離とFPSだけでクイックに切り替えたいのに、4種類ぐらいの切り替え方式なので毎回数回押す必要がある。
ボタンで馬に乗ろうとした時に、近くに民間人がいるとそちらに反応して、首絞め→指名手配になったりもした。
L2で人を注視するシステムは良いのですが、武器を出しているのを忘れているとL2で銃を向けることになる。
長押し操作が多く、その設定も計算されていない感じでテキトーに作った感じすらある。なぜこれが短押しで、これは長押しなんだろう?という疑問がよくあった。キャンプでの寄付は長押しですが、売る時は短押し、まとめ売りは長押しなのですが、短押し連打したほうが早いという。ミッション中に物を拾う操作がだったりだったりするのもしっくりこなかったり、操作の統一感がないので、ゲームパッドでの操作がゲーム内での動きに繋がる感覚が持ちにくい。極端な例で言えば『Detroit: Become Human』は、パッドでの操作とキャラクターの動きが繋がる感覚が優れていた。

 

一般的なゲームに比べて基本操作は少し複雑。例えばアイテムを使うにはL1を長押しした状態でR1を押し、右スティックで8方向のどれかを選択した状態でL2/R2でアイテムを選ぶ。L1を離すと使用。一般的なゲームに比べると面倒ですので、ライトユーザーにオススメできるゲームではないです。

 

満点をつけた海外メディアが「相変わらずぎこちなさを感じるRockstarの操作体系」「旧世代に取り残されたままの動作」と言っているように、従来通りのロックスター・ゲームスらしい操作と動作ではあるのですが、他のゲームが洗練されていく中で相対的に劣った部分として目立ってくる。そして、RDR2は過去のロックスター・ゲームスの作品よりも複雑化しているので、過去作よりも操作の煩わしさは増している。

 

操作と動作に関しては細かいことを言い出したらキリがないほどだけど、大絶賛している海外メディアの多くが悪い部分として指摘しているという事実が重いかと思う。

魅力を感じにくかったライフと基本ライフのシステム

プレイヤーキャラには、ライフ/基本ライフ、スタミナ/基本スタミナ、デッドアイ/基本デッドアイという基本ステータスがあります。馬にもライフ/基本ライフ、スタミナ/基本スタミナがあり、通常管理する基本ステータスは10。そのためゲージもミニサイズでごちゃごちゃしている。

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基本ライフ、基本スタミナ、基本デッドアイは時間経過で減っていく。
例えば基本ライフが減ると、ライフの回復が遅くなる。食べ物や飲み物で回復し、空腹とか蓄積していく疲労を表しているようなステータスであります。でもゲームとして面白く機能しているとは感じなかったし、リアリティもむしろ失われていてゲーム的な回復作業になっていたように思う。時間経過で減っていくゲージに対し、基本ライフと基本スタミナならイチゴの缶詰、基本スタミナと基本デッドアイならサケの缶詰といった具合に、対応するアイテムを定期的に消費する。
空腹や蓄積していく疲労の概念は西部劇シミュレーターとして重要だから良いのですが、基本ライフ、基本スタミナ、基本デッドアイというやり方は何か違うなと思いました。パラメーターを複雑にして体調をリアルに表現しようというアイデアは、これまで多くの人が思いついたんじゃないでしょうかね。でも、思いついた上で実装しないアイデアだと思う。今回このシステムでプレイしてみて、やっぱり止めたほうが良いんじゃないかと思いました。

 

ゲーム自体の難易度が易しく、テキトーに管理しても大丈夫なので重荷というほどではないですが、喉に刺さった小骨程度には気になる。そしてこのシステムが操作の複雑さとも絡んでくるので煩わしさも生まれる。

納得しにくい犯罪周りのシステム

ギャングなので犯罪もメイン要素なのですが、無実の罪を狙っているのか認識精度が低いのか、納得いかない判定が多かった。

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これに関してはリアリティに対するこだわりもなくて、スマホで写真を撮られて通報されているのかというくらい早く通報され、GPSで追跡されているように追われる。ゲーム的に割り切ったシステムとなっている。

 

細部まで作り込まれたゲームではありますが、雑なところもある。特にイベント・ミッション周りに関する部分では、他のところに力を入れるくらいなら、ここを普通に作ってよと思うところもあります。

映画的だけど台本通りでもあるミッション

オープンワールドゲームとしてオーソドックスな作り。メインミッションとサイドミッションはアイコンのところで受注。移動中に遭遇するランダムミッションがあったり、各地でミニゲームがあったり。
その中でランダムミッションは他のゲームより質が高く感じる。さすがにクリアするまでプレイしているとパターンが見えちゃいますけど、序盤~中盤は自由な旅の面白さを演出してくれる。どんな事件と出会うのかというワクワク感を持たせてくれます。
メインミッションでもサイドミッションでもなく、おそらくランダムミッションでもない、ちょっとしたイベントが配置されているところもあります。最初からマップに表示されてはいないので、「何かあるかもしれない」という期待を持って旅ができる。

 

メインミッションを受注すると、クリアするまで自由に動ける状態ではなくなります。特徴としては映画の撮影を台本通りにこなす感じ。カンペを出してもらうように「〇〇をしろ」という表示が出て、マップに移動先が表示される。極端に自由度がなく、言われたこと以外をやっちゃダメな時が多い。NGを出してはいけない映画の撮影のような緊張感。

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ミッション中にNPCが死んで失敗となったことも数回あり、これはストレスが溜まる。

 

銃撃戦もゲーム的に割り切ったシステムと演出。逃走しながらの銃撃戦は2Dのシューティングゲームのようでもあり、いろんな方向から不自然に数人の敵が出現して、デッドアイでパンパンパンと無双的に処理する。言われたこと以外の行動をするまで敵が湧き続けたり、かなりゲーム的。というか古いゲームのままという感じ。従来通りではあるのですけど、2018年に出るAAA級のゲームでこれでは残念な出来だと感じる。特にこのゲームの場合は雰囲気やリアリティにこだわっているので、湧きまくる敵を撃ちまくるという行為の連続は不気味の谷のように違和感が目立ってしまう。『L.A.ノワール』みたいに銃撃戦がメインじゃないゲームなら良いですけど、重要なミッションはほとんど銃撃戦があるゲームなのに、そこに力が入っていないのは残念。
難易度は低めですし、デッドアイで無双的に「俺Tueee!」できるのでヒーローとしての爽快感はあります。エアクッションを潰すような一定のリズムでの心地よい楽しさはあるし、盛り上げる演出もあって悪くない。でも、他の部分で見せている尋常じゃないこだわりや作り込みを銃撃戦でも見たかった。

 

『L.A.ノワール』の名前を出しましたが、RDRはGTAっぽい西部劇のゲームだったのが、RDR2はL.A.ノワールに寄っている気もふんわりとあります。アドベンチャー部分を重視したり、古い時代の空気感だったり、キャラクターの演技へのこだわりだったり。

 

ミッション数が多いですけど、行動パターンは多くない。終盤で特に気になったのは、ステルスで潜入→目的地に到着して強制的に見つかって銃撃戦→馬で逃げながらの銃撃戦、というパターン。ステルスが始まった時点で、その後の展開が予想できて実際そうなる。1話ごとの構成が統一された連続ドラマのようでもある。


行動の自由度がない分、映画的演出が優れていて、1つ1つのミッションの台詞回しや演出が丁寧に作られている。コピペで水増しではない作り込み。序盤~中盤までは、やらされている感がも強くて「ここまで窮屈なのはツライなぁ」と思っていましたが、ストーリーが盛り上がってくると映画的演出が生きまくって熱くなり、この手法の良さを実感した。オープンワールドのゲームで『アンチャーテッド』級の映画的なミッションがプレイできるのは度肝を抜かれる。

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最初の印象としては『アサシン クリード オデッセイ』のスタイルの方がはるかに良かった。頭を悩ませる選択肢と、その結果を受け入れる重み。ミッションも自由に攻略できる。でも映画的手法で「めちゃくちゃカッコいい……」「熱い!」と素直に思わされちゃった時点で、どちらかを否定するようなものではなく、別のスタイルとして受け入れられた。
『アサシン クリード オデッセイ』をプレイした人がミッションの不自由さや窮屈さを感じるのは、けっこうあると思う。特に盛り上がりが少ない序盤は不満が大きくなるんじゃないですかね。私がそうでした。

 

ほぼ1本道のメインストーリーと西部劇シミュレーターの相性が悪いところもあります。アーサーが人を殺しまくっているのに、ストーリー中の会話でダッチの殺しを咎めたりすると「お前が言うな(笑)」となってしまう。逆に指名手配されないようにプレイしているのに、メインストーリーで強制的に指名手配されると、自分の楽しみたいスタイルを妨害された気分にもなる。

西部劇シミュレーターとはロールプレイの舞台

「西部劇シミュレーター」「雰囲気が良い」というのは、ロールプレイの舞台として良いということ。朝起きて朝食を食べて、何をしようか決めて出かけて、昼は簡易的なキャンプで昼飯食べて……とか、遠出をしてみれば何か事件が起こったりもする。日常生活をおくれる舞台がある。


一般的なゲームの進行とは真逆なところもあり、マップを埋める事もミッションを消化していくことも考えない遊び方になる場合もある。ゲーム的な進行と報酬を求めたプレイの方が一般的なので、こういうスタイルに慣れていない人のほうが多いと思う。どちらが良い悪いというものでもない。ここまで作り込まれたゲームは希少なので、そういうスタイルに馴染みがない人でも、新たな遊び方を試してみるきっかけにはなりやすいかと思う。

クセがある超大作

RDR2は、西部劇シミュレーターと言われるほど完成度の高い世界作りと、そこにたっぷり浸した後に来るRDRxRDR2という超大作2本で描く激アツな人間ドラマにより、今まで体験したことがないくらい心が震えたゲーム。こういうところに感銘を受けた人が「史上最高のゲーム」と言うのも納得できる。ロールプレイに入り込めたところで、熱い人間ドラマも加わって見事に昇華される。
実際にはドライビングシミュレーター級の意味のシミュレーターと言うわけではないですが、世界の作り込みが従来とは別格ということです。当然ながら完璧な世界を作ったわけでもなく、雑な部分もある。


一方で、洗練されていない操作とUI。メインミッションの多くが銃撃戦なのに、そこは西部劇シミュレーターとしてのこだわりや進化があまり感じられずチープ。ギャングだから犯罪もメイン要素となるのに、納得がいかない指名手配周りのシステムなど、重要な部分で二流、三流のものも交ざっている。リアルな映像作りのためにゲームとしてのテンポが失われているところもある。ゲームに求めているものによっては「とてもガッカリ」と言うのも納得できる。
人間ドラマに関しても、私が勝手に入り込んで自ら心に刺して感動しているかもしれないと思うところもあり、万人に受けしやすくはない気もしている。これもロールプレイ次第なのかもしれない。

 

細部まで作り込んでリアリティがある反面、リアルじゃない部分が不気味の谷のように目立つのは逆に凄いとも思った。凄い領域に足を踏み込んでいるなと。普通なら「ゲームなんだから別にいいじゃん」と言える部分なのに、むしろゲーム側がそれを否定するような完成度に向かっているようです。


総合的に優れているわけではなく、良い部分は突き抜けているけど、悪い部分も目立ちますし、リアルなモーションを好む人もいれば、そこはゲームのテンポを重視してカットしたいと思う人もいるという好みの問題もある。ゆえにユーザー評価が割れるのも必然。このゲームに対する個々の反応をTwitterで見るのも面白いです。ゲームに求めているもの、楽しみ方の違いが見られる。Amazonレビューの分散も納得でき、単純に5か1かの話でもない。

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「平均点」とは最も相性が悪いタイプのゲームなのに、メタスコア97点という数字が目立ったりして混乱を生んでいそう。点数化自体、ナンセンスになっちゃうようなゲーム。私の場合、終盤の人間ドラマが最高に好きで、その時点で永久に愛したいようなゲームだと思っちゃうほどだけど、ゲームとして悪い部分もはっきり見えている。めちゃくちゃ素晴らしい部分で限界突破の加点をして、悪い部分をなかったことにして満点にするのも違うし、バランスをとって総合点にしても意味がない数字が出てきそう。他のゲームでもこういう難しさはありますが、スケールが大きすぎる西部劇シミュレーターとしての多様性が他とは違う捉えどころの難しさを生んでいると思う。他のゲームなら感覚的に80点とか90点とか、なんとなくそういう感じというのが理解できますが、このゲームは感覚的に数字を思い浮かべるのも難しい。

 

日本ではやや受けにくいかもしれない。最近の洋ゲーは遊びやすく進化したゲームが多く、日本でも馴染んできている。そんな中、RDR2は昔の洋ゲーっぽいクセがある。そしてストーリーを激アツだと感じるには初代『レッド・デッド・リデンプション』をクリアしてキャラクターと世界に思い入れがないと厳しいかもしれない。
ローカライズの事情もある。×決定、キャンセルですし、海外ですら操作問題が指摘されているのに、日本特有の操作問題が加わる。膨大なセリフがあるけど字幕のみ。字幕に気を取られながらのゲームプレイになる場面も多い。問題点もあり、字幕が表示されない場面も少しあります。ガヤの翻訳がされないことは他のゲームでも普通にありますが、アーサーの台詞に字幕が表示されないこともあるし、アーサーと直接会話しているキャラクターの字幕が表示されないこともある。仕方ない部分もありますが、エロとグロに関する規制もあります。前代未聞なレベルでボリュームがありすぎてローカライズの難しさもあるかと思いますし、まずこれをローカライズして完成してくれたという事に喜びと感謝がありますが、他と比べてローカライズの質が良いと言えるレベルではないです。

 

私は、上記したように進行度65%くらいまでは物足りなさも覚えていた。西部劇シミュレーターとしてのこだわりが、もっと全体的にあるかと思っていて総合的な進化を期待していた分、肩透かしな部分も見えて、やや古い作りのゲームでもあるというところも受け入れ、それなりに楽しんでいた。しかし、終盤の人間ドラマの熱さが突き抜けていて、序盤~中盤の日常編もそれを沁み込ませるのに非常に重要だったと思うし、その世界に住まわせるという感覚を与えてからの超大作2本で組み上げた熱い人間ドラマをブチ込む手法は燃え上がり方が尋常じゃない。それまで感じていた不満も焼き尽くすほどで、終わってみれば喉元過ぎれば熱さを忘れる状態にもなり、最高の余韻を残した。そして、この世界がもっと好きになった。
なんにしても、人によって楽しいポイントが違ってくるであろうゲームで、掛け値なしで最高だと感じられた部分があって良かったです。

 

9/7の『スパイダーマン』、10/5の『アサシン クリード オデッセイ』は最初から最後まで高いレベルで楽しめた。『レッド・デッド・リデンプション2』は序盤と中盤は少し物足りなかったけど、終盤は他のどのゲームでも体験したことがないほど心を震わせるものがあった。そういう波の違いがありました。

オンラインがどうなるかも注目どころ

世界の作り込みが素晴らしくて、ロールプレイの舞台として優れているRDR2。しかし、ロールプレイするには1本道のメインストーリーと既製キャラクターであるアーサーらを操作するという客観的な部分の相性の悪さはある。11月に配信される予定だというオンラインモードは、西部劇シミュレーターとして最高の舞台になるかもしれないという期待があります。この最高の素材をどう生かすか、気になります。

捉え方が難しくて面白い

長文過ぎて、しかもまとまらない。書いている途中で、このゲームの捉え方に対する疑問が生まれる。まだまだ未発見な部分も多いでしょうし、明日には違う見方になっているかもしれない。


好みが分かれるなんて当たり前ではあるけど、今までとは違うものを感じる。今までの感覚だとメインストーリーが中心にあって、その周りに様々な要素が広がっているという認識でしたが。この世界の完成度だと、メインストーリーすら無数の要素の中の1つであり、中心にあるものではなくなっていく気がする。


西部劇シミュレーターとしての作り込みと、ゲームとしての遊ばせ方のバランスも他の人がどう受け取るのか気になったりもする。

 

久々の投稿となりました。これで通常更新というわけではありませんが、これほどの超大作で内容的にも暴れ馬みたいなクセがあり、感想を書きたくなりました。

 

レッド・デッド・リデンプション2【CEROレーティング「Z」】 - PS4

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