水ノ旅ビト『ABZU (北米版)』

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北米PS Plusの2017年5月のフリープレイタイトル『ABZU』($14.99)をクリアしました。

水ノ旅ビト

ざっくり言うと『風ノ旅ビト』の海版。開発会社は違うのですが、『風ノ旅ビト』でアートディレクターを務めたMatt Nava氏が率いるスタジオ“Giant Squid”の開発。Matt Nava氏は『ABZU』のクリエイティブディレクターを務めています。ゆえに『風ノ旅ビト』と似たアートスタイルであります。

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ローカライズ不要

日本語には対応していませんが、メニュー画面以外でのテキスト表示がありませんので、日本語に対応する意味をあまり感じません。

 

テキストがないところは大きな魅力で、テキストを用いずに表現されるストーリーは鳥肌が立つところもある。序盤は美しい海を魚たちと一緒に泳ぐ癒しのゲームかと思いましたが、中盤からの引き込みは驚かされた。

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操作方法とゲーム進行

R2 – 泳ぐ
L2 – 魚につかまる

× – 速く泳ぐ
– イントラクト
左スティック – 方向転換
右スティック – カメラ

 

シンプル操作です。カメラの上下左右反転と泳ぎの方向転換の上下反転はオプションで設定可能。

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ゲームの進行は、ひたすら泳いで進む。行き止まりっぽいところではイントラクトできるオブジェクトにイントラクトすると道が開ける。パズルというほど頭を使うところはなく、ちょっと周辺を泳いで探索すればイントラクトできるオブジェクトが見つかります。

ゲームオーバーはありません。難しいアクションもなし。ゲーム的なアクション操作としては、近づくと爆発する機雷を避けながら進むというアクションがありますが、機雷が爆発してもシビれるだけで死にはしませんので、ゴリ押しで突撃しても突破可能。

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ゲーム的な行き詰まりを避けるように作られていて、常に操作するゲームではありますけど、インタラクティブシネマに近いところもある。アートを体験する、という感じです。『風ノ旅ビト』よりもゲーム的なアクションは抑えられている印象。

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メタスコア78点(72件)、ユーザースコア7.6点(206件)という中々の評価を得ていますが、『風ノ旅ビト』とは差があります。

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大きな理由として『ABZU』にオンラインプレイがないことがあります。『風ノ旅ビト』のオンラインシステムは非常に大きなインパクトを与えたため、そこの差はある。『風ノ旅ビト』が完全にオフラインのゲームなら、あれほど高い評価を得ることはなかったでしょう。ゲームを劇的に変える一味を持っているゲームは強い。「ABZUにオンラインプレイを入れろ」ではなく、もう一味欲しかったというところ。

他には『風ノ旅ビト』を2012年にPS3で体験して、2015年にもPS4で体験していると、『ABZU』のアートに過剰な評価をしにくいところが出てくる。ファーストインパクトだけが持つ特別な力があります。もし『ABZU』を先にプレイしていたら、感想は変わってくると思う。

とはいえ、『ABZU』には『風ノ旅ビト』とは違うアートの魅力もあります。水と魚をフルに使って描かれるアートは、このゲームだけのもの。ビジュアルだけじゃなく音も含めてですね。

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否定的な意見も多く、ざっくり言うとゲーム成分が少ないという声。こういう声も納得できます。イントラクトする仕掛けはチープですし、やること自体は単調です。アートを推し出すあまり、それ以外が貧弱になっているところはある。こういうアプローチも評価される反面、否定される面もあります。

もう1つ時代を感じてしまったのが「VRだったら凄そうだなぁ」と思ってしまったこと。

 

クリアまで1時間20分でした。似たような演出を何回か見ることもあるので、これ以上長くしても飽きるかと思います。プレイ時間に不満はなくて、時間に対しての$14.99ではなく、アートに対しての$14.99という具合。

フリープレイとしては美しいアートに浸れて満足できるものでした。タイミングも良くて『Outlast 2』『仁王』をプレイしている時でしたので、癒されました。

 

タイトルの読み方は「アプスー」または「アプス」らしいです。

 

Abzu (輸入版:北米)

Abzu (輸入版:北米)

 
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