地道な作業ゲーが好きなら沼にハマる『Graveyard Keeper (北米版)』感想


2019年6月27日に北米Storeでリリースされた『Graveyard Keeper』($19.99/日本語対応)の感想です。

 

事故で中世に飛んでしまった男が墓守をやらされながら現代へ帰る手段を探すゲーム。『牧場物語』や『スターデューバレー』系のゲームですが、スローライフってわけではなく、まずは現代へ帰るという目的のために動く。6人の重要NPCからのメインクエストで出されたお題に対応するという具合。クリア後は好きなようにやり込むのが楽しいですけどね。

 

「暗黒牧場物語」とも言われ、死体の臓器を抽出したり、魔女を火刑にしたり、主人公がイベントで死んだり、ブラックなネタもほどほどにある。と言っても基本は農業したり鍛冶したり建築したり釣りをしたり、わりと一般的なスローライフ系のゲームではあります。木を切ったり石を採掘し、それらを加工して施設や道具を作成する。そうしてクエストでNPCが求めている物を渡したり、農業で作物を育てて売ったり、墓や教会をアップグレードしたりする。素材集め、金稼ぎ、施設アップグレード、クエスト進行がメイン。戦闘も少々ありますが、控えめ。これらの要素はありふれているんですけど、やっぱり楽しい。スローライフ系に求められている基本を押さえている。突然飛ばされた中世で、自分の生活ができていく感じが楽しいです。

 

6種類の曜日があって特定の曜日しか発生しないイベントもありますが、時限イベントはないので気楽に遊べるのも非常に良い。

優れた2Dドット絵

2Dドット絵のグラフィックはとても良かった。キレイに描けているだけじゃなく、ツクールの汎用キャラで作ったようなモブ感がなくて、独自の味わいのあるキャラクターが魅力的。『Punch Club』の開発元でもあり、さすがのセンス。定期的に顔を見るロバも面白いビジュアルで、こういうところが味気なかったらゲームが退屈に感じると思うし、このゲーム世界に浸れる喜びを感じる。


会話は吹き出し式で『ロマンシング サ・ガ』を彷彿とさせる。

唐突な驚きはあるけど希薄さもあるストーリー

愛する妻の待つ現代に戻りたい主人公と6人の重要NPCがストーリーの中心。6人の重要NPC同士で意外な繋がりとか過去があったりして驚けますが、それが唐突にも感じる。匂わせとか伏線がないからですかね。取って付けたような急展開に見えてしまった。先が気にならなかったけどオチは驚いたという感じなので、オチまでの持っていき方さえ丁寧にできていたら、かなり面白くなった気がする。

バグなしロードなし

プラチナトロフィー獲得まで50~60時間くらいかかったと思いますが、バグらしいものには遭遇しませんでした。Steam版のリリース日が2018年8月16日となっておりますので、そこからアップデートを重ねて多くのバグが取られたんだと思います。

 

ゲームを開始してからはロード待ちがないのも素晴らしくて、ファストトラベルアイテムである転移石を使ってもロード待ちがなくて瞬時にワープする。作業ゲーでこういう快適さは有難い。『きみのまちポルティア』は建物の出入りでのロード待ちが、ゲームを続けられなかった理由でもありました。

なかなか良かったトロフィー設定

トロフィー設定は作り手のゲームを楽しませるセンスが出やすいですが、楽しんでプラチナトロフィーを獲得できたトロフィー設定でした。「魚200匹を捕まえた」だけは、楽しさを感じにくい回数系でしたが。それ以外は普通にゲームをやり込んでいけば獲得できるようなトロフィーが多い。

『Graveyard Keeper (北米版)』プラチナトロフィー攻略 - PS4ちゃんねる Pro

クリアするだけでもプレイ時間が長いゲームですので、プラチナトロフィーで締められるのは達成感があって嬉しい。

洗練されてきているが小さな不満も残る

PC版のメタスコアは69点(14件)で高くはないですが、この14件の評価は初期バージョンのものが多いと思います。アップデートを繰り返して、初期よりかなり良くなっているはず。Steamのレビューを見ても、全体では77%(6,433件)が好評ですが、直近30日では94%(764件)が好評です。最近の評価は高い。

 

それでも小さな不満は残ります。まず移動スピードが遅く感じます。実際は2Dの見下ろし型ゲームとしては普通レベルの移動スピードなのですが、このゲームは作業的な移動が多いので、もう少し速ければいいなぁと思う場面が多い。切った丸太を作業場に運ぶのも1本ずつ往復ですし、木箱の出荷では10箱の木箱を10往復して運ぶ。しかも毎週。速度のポーションを使うと移動スピードがアップするのですが、その速度が通常で良いくらい。もしくはダッシュボタンを導入して速く移動できるとか。もしアップデートで移動スピードが速くなれば、劇的にプレイしやすくなると思う。それか乗物が追加されると嬉しい。荷物が積める馬車みたいな。

 

複雑さとわかりにくさもある。これは調べるなりして対応できますが、親切設計ではないです。クラフトする場所が、作業場、墓場、教会、錬金術研究室、畑、ブドウ畑、採石場などと分かれており、それぞれに設置できる施設も違う。素材を知りたければその場所の設計図にアクセスして見るしかない。でも素材を作るのは作業場か錬金術研究室がメインなので、例えば墓場で施設を造る時は、墓場の設計図を見て素材をメモしてから、作業場と錬金術研究室で素材を用意するという具合。情報量が多いし散っているので、覚えて整理することが多くて大変であります。

 

作業場や畑の位置も固定で、かなり制限された範囲に施設を設置するシステムなので、自分の庭をデザインするような自由度は低いです。もう少し自由に配置したかった。

 

デフォルトで20の所持品枠も拡張できなかった。もう少し持ちたくなる。それでも初期バージョンよりは良いらしい。今は装備品は別枠ですが、初期は装備品が所持品欄を圧迫したみたい。

 

1週間が6日で、6人の重要NPCが特定の曜日のみ出現する仕様。これはスケジュールを管理する面白さもある反面、ここまで制限しなくても良かったんじゃないかとも思う。クエスト進行のために1週間待ちすることもザラにあり、ゲームプレイが間延びする要因でもある。

 

50~60時間のプレイ時間ですが、密度は薄い印象。移動とかわかりにくさで時間を消費してしまう部分が多いです。序盤はいろんなことが新鮮なので気になりませんが、中盤以降は脱落する人も多いかと思う。Steam版ですらクリア実績が12.2%。本当に地道な作業ゲーが好きな人向け。私は沼に例えられるぐらいハマった。

 

ざっくり言うとテンポの悪さと作業感が辛いというのがマイナス点なのですが、DLCのBreaking Dead($4.99)を導入すれば、ゾンビに作業を任せられて効率が良くなるようです。私は知らずにクリアしちゃったんですけど、これを導入していればもっと楽しめたと思う。並の追加要素ではなく、ゲームの弱点に対応するようなDLCに見える。見逃したのはもったいなかった。

$19.99は安い

$19.99という低価格で、ここまでハマれて大満足。こういうコツコツ育てていくゲームは大好きです。でもゾンビDLCを入れていなかったのは失敗した。ゾンビを含めて生産環境を充実させていくのは楽しそうだ。
日本ではSwitch版がCERO:Dで夏リリースだとアナウンスされていますが、PS4版も出るのかな?