『FINAL FANTASY VII REMAKE』の感想

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2020年4月10日にリリースされた『FINAL FANTASY VII REMAKE』の感想。

リアルで濃密になったFF7の世界

現代の技術でリメイクされたFF7の世界、掛け値なしに感動しました。スラム街、陥没道路、ウォール・マーケットなどなど、まるでついに本物を見たような感覚。風景がキレイなゲームはたくさんありますが、FF7のような存在はほとんどない。ポリゴンのゲーム世界を見てから、本物のようなFF7の世界を旅する感動は唯一無二。まだ見ぬFF16がどんなに素晴らしいものでも、こういう感覚は別物ですからね。思い出と技術の進化と過ぎた時間が作り出せる感動。

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そこらにいるNPCの会話も作り込んでいて、そこに暮らす住民が当たり前にお喋りしている感じが世界のリアルさを演出した。

 

ドラマ性も濃くなっていて、キャラクター同士の会話も豊富。ちょっとラブコメチックな会話も多くて気恥ずかしさもありますが、逆に今となっては新鮮さも覚える。
クラウドとエアリスが再会してエアリスの家に行くまでの会話の作り込みは衝撃的でもあった。そこそこ長い道中、細かく会話を作ってあり、2人が自然にお喋りをしながらゲームが進んでいく。

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オリジナル版ではミッドガル脱出までに泣けた記憶はないですが、『FINAL FANTASY VII REMAKE』は3回ほどホロッときました。キャラクターがしっかり生きているから泣ける。パーティーメンバーだけじゃなく、ジェシー、ビッグス、ウェッジらのドラマもあり、神羅の幹部も長くない出演時間の中でしっかり存在感を見せ、1つ1つのエピソードに力が入っていた。

FF7のキャラクターと世界のリアルさというか、存在感には強いこだわりが感じられました。この世界があり、生きている人たちがいるという。

 

次作以降、別れがあったら号泣しそう。

壮大な1本RPGとして迎えたエンディング

オリジナル版だと序盤部分なのでストーリーは盛り上がりにくいかと思いましたが、1本の壮大なRPGとしてエンディングを迎えました。もちろん「俺達の戦いはこれからだ」状態なのですが、最後は大作RPGの終盤にふさわしい山場を越えて、第1作目としてのエンディングを迎えた。映画を3分割した1本目ではなく、海外ドラマのシーズン1が終わった感じ。

 

今回は導入部だと思っていたのでストーリーに期待はしていなかったのですが、生き生きと存在しているキャラクターたちの人間ドラマと、中盤から終盤にかけて大きな山場を見せてくれて満足度は高い。

 

ここまで掘り下げてくれるなら、分割で良かったとも思えた。全部入りだったら浅くなるだろうし、時間はめっちゃかかると思うけど、せっかくのリメイクなんだし、もうスローペースでも徹底的にやってほしい。時間をかけた分割だからこその濃さや深さを見せてくれたから、次も期待できます。実際にプレイして納得できた部分。

『REMAKE』はサブタイトルかもしれない

ゲーム開始前は、オリジナルのFF7を分割して今回はミッドガル脱出までを描くんだなと思っていました。つまりオリジナル版のリメイクの第一部となる。しかし、クリアしてみると、もしかしたらこの認識は違うのかもしれないと思った。タイトルの『REMAKE』はリメイク版という意味じゃなくて、ゲーム内のテーマとしての副題なんじゃないかと。ドラゴンクエスト11で言えば『過ぎ去りし時を求めて』の部分。

 

今回のFF7では重要なテーマとなる『REMAKE』を描き、次はオリジナルとは違う新たなストーリーになるんじゃないかとも予想できる。公式サイトに「時を経て『新たな物語』として生まれ変わります」と書いてあるけど、そのまんまの意味。とは言え、まったくオリジナルと違う展開を描けないゲーム内の事情もあり、ある程度はオリジナルに沿うとは思う。しかし、オリジナルとは違う方向へ進むクラウドやエアリスやセフィロスたちの新たなストーリーになりそうな気がします。実際のところ次が出てみるまでわからないわけですが、プレイ前に思っていた『REMAKE』とは違う気がしてきた。極端に言えば『REMAKE』というサブタイトルの続編のようなものかもと。

 

映画でもリメイク版は大胆な変更があったりして、そっくりそのまま作らないのが普通でもあるので、今のところFF7の変更要素も意外ではないのですが、もしかしたら『REMAKE』という言葉を逆手にとったような仕掛けがあるとしたら、分作という手法が生きるのかもしれない。
現実的に今のペースで原作通りだと完結がとても難しそうな事情もあり、中途半端にカットするくらいなら「時を経て『新たな物語』として生まれ変わります」という言葉通りの選択にする可能性もあるんじゃないかと思った。『新たな物語』として次が完結編になっても驚かないという気持ちではいる。FF13が「ライトニングサーガ」として3作出ているから、FF7も3作が本命だとは思いますがね。4作となると年数的にもセールス的にも計画しにくいだろうし。

 

ただの妄想であり、蓋を開けてみればオリジナルと同じような感じでの第二部になる可能性も高いですし、何年後に出るか、どうなるか、まったくわからないわけですが、とても楽しみ。このゲームの存在の大きさからして、どっちに舵をきっても賛否両論は間違いないですが、その瞬間を自分で体験する日をワクワクして待つ。次回がどうなるかの論争も面白い。

リメイク版だったのかリメイク編だったのか、答えは数年後。

グラフィックは粗さもある

キャラクターはリアルに描かれていて演技も良いですが、背景は粗さもあり、のっぺりしたテクスチャが目立ったりもする。

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アクションとコマンドのバランスの良い戦闘

戦闘は体験版の時の印象から大きくは変わらず。アクションとコマンドのバランスの良い戦闘で、概ね高評価になりそうな部分。
ボタン連打ではダメで、敵をHEAT→BURSTにする方法を見極める必要がある。硬いと思った敵がBURSTして溶ける爽快感は良いです。

 

カメラはあまり良くないです。FF15でもそうでしたが。壁際とか閉所は見にくいですし、動きまくる敵もロックオンで上手く捉えられない。カメラが近くて周囲が見にくいのも好みじゃないです。設定で遠くにしてもまだ近い。

 

誤解されそうな部分でもありますが、バリバリのアクションゲームではないです。コマンドRPGのエッセンスを残したゲーム。バリバリのアクションゲームならプレイヤースキル次第でノーダメージも可能ですが、FF7は絶対に避けられない攻撃もあるし、回避が万能なゲームでもないので、ダメージを受けることが前提のゲーム。戦闘不能からの回復まで計算に入れて戦略を立てる必要がありますし、そこの違いは頭に入れておかないといけない。
私は『仁王2』にハマった直後でしたから、今作でダメージを受けまくる状態に馴染むまで多少時間がかかった。回復手段も多いので、よくよく考えたらバランス良くできているなと思いました。ここは良い悪いではなくて、バリバリのアクションゲームとの違い。
最大3人のキャラクターを切り替えながら、アビリティや魔法を指示しながら戦うゲームなので、1人を操作するアクションゲームの感覚でプレイするとHARDでは通用しない。キャラクターを切り替えて敵のターゲットを外したり、ATBゲージを効率良くためるのが重要です。HARDだとこういう部分が半強制的に頭に入ってくるので、このゲームの戦闘の面白さがより深く見えてくる。

オープンワールド系にしなくて良かった

一昔前はオープンワールドに夢を見ていた時期もありましたが、広いだけで薄味になる問題もあり、なんでもかんでもオープンワールドは良くないと気付く。FF7は前述したクラウドとエアリスの旅やNPCの会話の豊富さなど密度を重視しており、それがFF7の大きな武器であるキャラクターや世界の魅力を引き出せていたと思う。
何も考えずオープンワールド系にしていたら、広いけど何もない薄味のゲームになっていたんじゃなかと予想できる。

 

スラム街やウォール・マーケットの広さも丁度良かった。広さと密度のバランスが丁度良かったように思う。ただ広いだけや自由度を求めるだけの発想は、とっくの昔に終わっている。FF7Rは良い選択ができていたように思います。遊びやすかったです。

おつかいのサブクエスト

サブクエストは「〇〇を倒して」「〇〇を探して」という典型的なおつかい系が多く、良い作りとは言えません。フルボイスなのでNPCの存在感は出せていますが、単純なおつかいにしても、ちょっと泣けるとか笑えるとか驚けるとか、エピソードに工夫がほしかった。

 

でもサブクエストは苦ではありませんでした。メインストーリーは1本道に近くて、自由に行動する時間が多くないですし、ある程度の広さのエリアの中で、走り回って戦う時間は有意義です。1つの章のサブクエストが多くなくて良かった。そのエリアでの冒険に飽きることなくプレイできる。水増し感はなく、注ぎ方は適性。もう少し味をおいしくしてほしいというところ。
クエスト目標を達成すると依頼人のところにワープできるのは親切。

高難易度なHARDモード

クリアまでサブクエストを全てこなして35時間かからないくらいです。クリアすると難易度HARDがアンロックされます。敵が強く、なんとアイテムが使用できず、そして休憩所やクエストでMPが回復しないという鬼のような仕様。難易度が急上昇してHARDというよりVERY HARDです。EASYに関してはVERY EASYという感じですし、このゲームは難易度の差が大きくて、VERY EASY、NORMAL、VERY HARDの3つという印象。

 

今はHARDをプレイしていて、残るトロフィーは2つ。HARDでの全クリアと、隠しボス1体。HARDの中盤以降は、ボスの弱点と攻撃属性・状態異常を確認して、それに対応するマテリアをセットしたうえで、アクションの正確さと判断力も求められる。レベルキャップが50なのでレベルを上げてゴリ押すのは不可能、かなり高難易度です。ただ、それでも理不尽ではなく、きちんと進められる難易度になっていて上手い調整だと思います。1周目では雑にやっていた部分を見直して対応していけます。

 

育成の幅に関しては、やや狭くなっていると感じました。FF13の時にこういう制限が顕著になった印象があります。FF13のイベントに呼ばれていたタレントが「レベルを上げまくってから進めるのが好きです」と笑顔で語っていて、FF13だとできないんだよなぁと思った記憶が強く残っている。最終的には天井を低くしてプレイヤースキルを求めるバランスとしては非常に良い反面、必要以上に強化することができない寂しさもある。
ミッドガル脱出までと考えると強化の制限があるのも自然ではありますが、実際のところは1本の大作RPGとしてのボリュームがあり、2周+αで70時間超級のゲームプレイ。もっと強化をいじれたら良かったなと思います。
もしかしたらこのあたりはDLCで緩くなるかもしれない。レベルキャップが解放されたり、穴6個の防具が入手できたり。そうするとHARDを諦めていた人も挑戦しやすくなるかなと思います。高難易度モードとしては上手い調整なのでロンチではコアゲーマー向けとして良いのですが、おそらくトロフィー獲得率は低いでしょうし、もっと多くの人が楽しみやすくなるDLCを入れるのは悪くない。

完全な引継ぎはなさそう

マテリアをセットするとHP9999になるし、属性攻撃を吸収できるマテリアとか強すぎるし、ガ系の魔法も揃っているし、神々の黄昏という最強アクセサリーはゲームバランスに大きな影響を与えるし、1本のゲームとして完結するステータスのバランスになっている印象。さすがにこの強さで次回作を最初から遊ぶとインフレ状態になりそうですし、次回作への完全な引継ぎはないんじゃないかと思います。

ロードの工夫

PS5の超高速SSDを勉強した時に知ったロードの難しさと工夫。FF7Rでは強制的に歩かせる場面が多くて、PS5になればこういう作り方はしなくていいんだなぁと、しみじみ思いました。でも知らない人からすれば「なんでわざわざ歩かせるんだ?」という不満にもなりそうです。ロード画面は出さないけど、実質ロード待ちですね。

 

周回プレイでやや面倒なところは目立ちます。裏読みのロードは仕方ないですが、もう少し2周目のスキップ要素がほしい。2周目でバイクミニゲームをスキップさせてくれるのは嬉しいですが、陥没道路のクレーンもスキップしたくなります。移動するだけの場面も多いので、アップデートで周回プレイのテンポが良くなると遊びやすくなりそう。

FINAL FANTASY VIIの世界

非常に楽しめた。FF7だから、リメイクだからこその魅力もいっぱい詰まっていて特別な感動がありました。最初に起動してタイトル画面でメインテーマを聴いているだけで既に感動していたのに、世界の作り込みと、そこに住むキャラクターたちの生き生きとした存在感が最高でした。1章ずつページをめくる度にリメイクされたFF7の世界にワクワクできた。最近は作り込みが凄いゲームも多いですが、FF7のキャラクターと世界の魅力は格別です。

 

レベルデザインも良く、敵の配置も上手いですし、その間の道中の会話もビッシリ作り込んでいる。最初は少しキツめに感じたNORMALのゲームバランスも、やり方を理解していくと上手い調整だと思いました。詰むようならEASYもありますしね。

 

全体的なゲームデザインも良いのですが、やはりFF7のキャラクターと世界があってこそ最高のゲームになっている。このゲームの軸になっており、そこをしっかり作り込んでくれたのが嬉しい。「あばたもえくぼ」状態でもあり、終わりがきてほしくないほど、ずっと付き合っていたいゲームプレイでした。

 

メタスコアも88点(92点)という高評価。伝説的ゲームであるファイナルファンタジー7のリメイクというハードルの高い挑戦でしたが、まず最初のハードルは華麗に越えたと言えるんじゃないでしょうか。

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次が何年後かわかりませんが、こういう大きな楽しみが続くのは悪くない。

 

ファイナルファンタジーVII リメイク アルティマニア

ファイナルファンタジーVII リメイク アルティマニア

  • 発売日: 2020/04/28
  • メディア: ムック